また、一つ大人っぽく歳を重ねた。
数少ない友人から暖かい気持ちが届いて
一層冬に近づく気配の下で寒さを楽しもうと試みる。
かたじけないとありがとうの狭間に座る。
11月とはそのような月。
若い時は泣くことが嫌いだった。
泣かない美学を貫こうとしていた。
だけど、
魂を揺さぶられるような事が人生には度々訪れて
泣くしかない事もほんの少しだけわかった気がする。
けれど、多分分かった気がするだけで
いつもそんなことは予想を遥かに上回って訪れるのだろう。
11月の所々厚い雲と遠い青空の下、
窓から差し込む明かりは
少し穏やかで柔らかいグレイを含んでいる。
最近は美しい響きを求めて
交響曲やピアノばかりを聴いている。
フジコさんや辻井さんの奏でる音は素晴らしい。
前にも書いた気がするけれど
震災の後、映画DIVAの身体の芯を響かせるオペラ歌手の声を
ずっとずっと聴いていた。
今の私は
ちょっと、その様なもしかしたら
自分が思うより振り切っている状態なのかもしれない
と、どこかで漂いながらの日々。
雲の形を追いかけるように
空を見上げて
今日を生きて明日へ向かう。
| ”Resonates in the moonlight of Japan" While listening Beethoven's "Moonlight Sonata" |
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